株式会社クロスエフェクト・クロスメディカル 竹田 正俊 社長
本日はよろしくお願いします。早速ですが、竹田社長の会社はどんな会社ですか?
クロスエフェクトは主に多種多様なプラスチック製品の開発に必要とされる試作品を作る会社です。日常生活でよく見る様々な種類のプラスチック製品の開発をサポートしています。そしてクロスメディカルでは、オーダーメイド臓器シミュレーターを製造し、医療現場に私たちの技術を提供しています。
オーダーメイド臓器シミュレーターとは何ですか?
患者様ごとに術前シミュレーションが可能となる、極めて実物に近い臓器モデルです。それらはCTスキャンデータを元にオーダーメイドで製造します。
その臓器シミュレーターの硬さはどうなっているのですか!?
もちろん、硬さも再現します。特別な軟質樹脂によって、内部観察やメスの切開のトレーニングを可能にしています。
素晴らしい技術がある会社ですね! では、クロスエフェクト、クロスメディカルの強みは何ですか?
“FASTEST!”、それこそが私たちが提供する最大の強みだと思っています。
最速ですか!?
はい。例えば、私たちは手術が必要な患者さんの臓器シミュレーターを最短2日で提供できます。再現度の高い軟質臓器モデルを最速で提供することは、患者さんの手術成功率を格段に上げる可能性があり、早急な対応が求められる医療現場に速さで貢献できるのです。
そんなに速いなんて、驚きです! では、竹田社長はどんな人物をこの会社に求めていますか?
前向きで、明るくて、素直で、正直な人ですかね。
人として「良い人」ということですか?
そうですね。ピーター・F・ドラッカー[米国の経営学社、社会生態学者]の言葉で言えば、“Integrity(真摯さ)”ですかね。人間の素地の部分を私は大切にしています。その方が、成長や協調性が見込まれると思うからです。
なるほど。ちなみに、速さは見ないのですか?
速さは技術なので、最初から求めません。
では、竹田社長が求める人物像に近づくため、今の大学生にアドバイスをお願いします。
まず、色々な人に出会うことが大切だと思います。多くの出会いは自分の曲がった道を直してくれる大切な機会です。私も多くの人に出会い、そこで助けられて今があると思っています。
出会いですか。
後は、大学卒業後の選択肢を広げることですかね。大学生はその後の選択肢に、進学、就職だけではなくて、起業、つまり“じりつ”する選択肢も含めるべきだと思います。
“じりつ”ですか!?
自立と自律、「自ら立って、自らを律する」ということです。そして、“じりつ”するためにはアントレプレナーシップを持つことが大切です。
アントレプレナーシップ!?
新しいことに積極的に挑戦する精神のことです。恵美くん、「3万日」って何の数字かわかる?
3万日? 人間の寿命ですか?
そう。人の人生は3万日しかないんですよ。私はあと1万2000日しかないんです。恵美くんは今、18歳ですよね?
はい、18歳です。
なら、あと2万3000日ぐらいかな。大学生はそのことに早く気づくと、自分の限られた命を何のために使うかが明確になり、大学生活もより充実したものになると思います。私もそれに気づいたとき初めて、自分の使命についてより一層深く考えるようになりました。
もう僕の人生は5分の4もないのか。それって深刻じゃないですか!
そうですよ。私はバックキャスティングという考え方をしています。「時間は未来からやってくる」という考え方です。
時間は未来からやってくる???
私も初めて聞いたとき、恵美くんみたいに頭の中が?マークでいっぱいになりました。「時間は未来からやってくる」ということは、未来の自分が今の自分をそうさせているということです。将来の目標や使命があるから、今、自分は動いている。なので、最後のアドバイスは、「出来るだけ高いところに点を打て!」ですね。
「出来るだけ高いところに点を打て!」ですか?どういうことですか?
「点を打て」はつまり、「将来の目標や使命を掲げろ」ということです。そして、できるだけ難易度の高い目標が良いです。人間はその方が頑張れるのでね。こうして、できるだけ高いところに点を打てば、今するべきことが明確になり、限られた時間を有意義なものにできると思います。
なるほどですね。バックキャスティング!その発想法が聞けて良かったです。大学生活、限られた命ということに自覚し、 “じりつ”する精神を持って、求められる人物像に近づいていきます。
