株式会社Fujitaka 髙井 茂行 社長

#不動産,#建築,#コンサル,#小売,#製造

髙井社長、本日はよろしくお願いします。早速ですが、Fujitakaさんは何をされている会社ですか?

お客様の様々なニーズに応え、店舗環境のトータルソリューションを提供する会社です。

どうしてお客様の様々なニーズに応えることが可能なんですか?

幅広い事業を展開しているからです。

幅広い事業を具体的に教えて下さい。

大きく分けて4つの事業軸があります。メーカーとしてのモノづくり事業、様々な商品を提案・販売するソリューション事業、店づくり事業、そしてメンテナンス事業です。

なるほど。モノづくり事業に関してお聞きしたいのですが、Fujitakaさんが自社開発されているオリジナル商品はありますか?

飲食店などに使われる券売機や遊園地や博物館などに使われる入退場ゲートシステム、適温配膳車、喫煙ブースなどがあります。

適温配膳車はどんな特徴のある配膳車なんですか?

温かい食事は温かいまま、冷たくておいしい食事は冷たいまま提供できる配膳車です。昔、病院の食事は冷めきった料理で、温かいご飯を食べることはできませんでした。私たちの普段の「当たり前」を入院患者様や入居者様にも提供したい、という想いで開発しました。

病院や介護施設などでもソリューションを提供されているんですね。それらの商品はどこの工場で製造されているんですか?

主に静岡と神奈川にある関連会社の工場で造っています。喫煙ブースに関してはインドネシアの工場で造っています。

どうしてインドネシアなんですか?

インドネシアで大量に出る、ヤシの実の廃材をリサイクル活用して、活性炭として使っているからです。ヤシの実の廃材を利用することによって、煙を遮断しつつも空間を分けない仕様が可能になり、喫煙者と非喫煙者がお互い気兼ねなくコミュニケーションをとることができます。

よく見ると、空間が完全に区切られていませんね! 凄いです。ところで、店づくり事業はどんなことをされているんですか?

リーシング(ショッピングセンターなど不動産を賃貸する商業施設にテナントを誘致する営業活動のこと)からデザイン・設計・施工・メンテナンスまで、多種多様な業種の店づくりをトータルサポートしています。実際に、自社で飲食店(京うどん「はなこ」)を手がけており、店舗工事や省力化システムのノウハウを活かして、飲食店のコンサルティング事業も行っています。

実際に自社で店舗を持つことはお客様の良い手本にもなりますね。

そうですね。自社店舗がお客様の設計・施工の見本となるように自動配膳ロボットや業務用お掃除ロボットなどを取り入れています。

なるほど。そもそも、Fujitakaさんはどのように始まった会社さんなんですか?

私の先先代の祖父がタバコのショーウィンドウなどのような、商品を展示・陳列する棚を造っていた流れで、1975年に私の父親が日本で初めてタバコの自動販売機を造り、会社は自動販売機事業を核に発展していきました。しかし、平成に入りコンビニエンスストアの台頭で、自動販売機事業がつまずき、私の代で改革を迫られました。今のFujitakaは大改革した後の姿です。

自販機事業の撤退は会社にとってもちろん深刻だったと思います。

深刻のレベルを超えていました(笑)。主な顧客だったタバコ商店の数が大幅に減少し、200億の事業が10年間の間でゼロになりました。会社存続のため、急いで今後伸びていく事業は何かを考えた時に、コインランドリーやコインパーキングなどの無人化に目をつけました。そして今、主力事業を持たず、10億ぐらいの規模でいくつもの事業を展開しています。

主力事業を持たないという経営戦略は、自動販売機事業で落ち込んだ経験が基になっているんですか?

はい。ガソリン車から電気自動車へ、貨幣から電子マネーへ。時代は常に進んでいきます。私たちは主力事業を置かず、時代の流れと一緒に進歩していきます。

HPで拝見しましたが、Fujitakaさんはドローンスクールも運営されていますよね。

はい。ドローン操縦と、それを活かした専門分野の技術を習得できるドローンパイロットスクールの運営も行っています。これは社員のアイデアから生まれた事業で、ドローンを使ったメンテナンスも視野に入れています。

そうなんですね。どのような形で社員さんのアイデアを拾っているんですか?

1年に一回、「Start Up Fujitaka」という名前で、新規事業のアイデアを募るイベントを開催しています。最終的に役員会で事業展開が決定すると、提案者には事業責任者として事業を進めてもらっています。

ちなみに社員さんは何名いらっしゃるんですか?

全国で250名弱います。

(写真:(株)Fujitakaロゴマーク/HPから抜粋)

では、そんなFujitakaさんの強みを教えて下さい。

ひとつは、日本全国に事業所があり、全国に80名以上の電気技術者がいることです。様々な機械メンテナンスが可能であり、日世株式会社様の国内トップシェアを誇るソフトクリームサーバーや極東産機株式会社様の味噌汁ディスペンサーなどのメンテナンスを請け負う技術力も強みのひとつです。そして、トータルソリューションカンパニーとして、物件選び、設計から施工、メンテナンスまで、ワンストップで対応することができます。

Fujitakaさんは業種の境がなく、ありとあらゆるノウハウをお客様に提案することができるので、とても柔軟性の高い会社さんですね(笑)。

北海道から沖縄(代理店)まで、幅広いノウハウが蓄積されています。

その中で、拠点を京都に置く意味は何ですか?

京都で育ったからです。京都の価値を全国に発信し、最終的に世界に広げていきたいと思っています。

なるほど。髙井社長はとてもしっかりされた方だと思います。大学時代、どのような学生生活を送られたんですか?

実は、大学の入試期間中にトラックに跳ねられて、しばらく意識を失い、3ヶ月間ほど入院していたので、大学に行くことができなかったんです(笑)。

本当ですか!それは大変なご経験でしたね。後悔はされてないんですか?

後悔はまったくありません。大学に行く明確な理由が自分の中ではっきりしていませんでしたし、父親が高齢だったので、はやく社会を経験したいという思いもありました。そして、Fujitakaに入社するまで5年間働いた冷凍機器メーカーの経験がとても貴重な体験でした。

冷凍機器メーカーではどんなことをされていたんですか?

設計・施工の現場に出たり、最終的には現場監督も経験できました。そして、ベトナムでの工事も担当し、初めて海外で半年間仕事をするという、とても貴重な体験をすることができました。その前職がきっかけで、モノづくりやお店づくりが好きになり、メーカーや建築について勉強するようになりました。

なるほど。ベトナムはどうでしたか?

色々なことに衝撃を受けました。冷蔵庫がないのに、携帯電話はあったり。砂ぼこりがひどいのに、パソコンが普通に置いてあったり。日本の常識を逸脱した場所での仕事で、私の価値観が広がりました。

まさにカルチャーショックですね。髙井社長はおいくつの時、社長になられたんですか?

36歳のとき、社長に就任しました。

今に至るまで、大切にされ続けたことはありますか?

絶対に諦めないこと。責任を持って先頭に立つこと。そして、歳には勝てないので、引き目を感じたら身を引くこと。主にこの3つを大切にしています。

なるほど。責任を持って先頭に立つ、という意識は「継ぐ」と一緒に付いてきたものなんですか?

私は経営者一族としての責任を常に背負っています。そして、会社が傾いていた時、逃げるのではなく、責任をもって存続させる責務をより一層感じました。

(写真:取材風景)

では、そんな髙井社長の「求める人物像」を教えて下さい。

変化を恐れない人物が欲しいです。

どうしてですか?

先ほども言いましたが、社会・時代は常に進歩していきます。そして、その変化に対応すること、挑戦することは簡単なことではありません。なので、柔軟な発想力を持って、変化に対応できる人物が良いです。

なるほど。時代とともに進むFujitakaさんらしい「求める人物像」ですね。具体的に、変化を恐れない人物はどのような特徴があると思いますか?

学生時代に色々なことに挑戦していたり、目標を持って何かに取り組んだ経験があると思います。

では最後に、大学生にアドバイスをお願いします。

自身の経験から、やはり海外に行くことは大切だと思います。日本は海に囲まれている島国なので、外国人との接触は比較的に少ないです。なので、自分から見に行き、異文化に接触することは、日本の良さや自分自身の立場を再確認する上でとても大切なアクションです。

髙井社長は交通事故で大学に行くことができず、それでも後悔のない経験をされてきたと思います。そんな髙井社長がもし大学に入るとしたら、何をされますか?

まず、どうしてその大学に入学するのか、その意味を明確にして大学に入りたいです。そして、人脈づくりをします。大学での繋がりはチャンスにもなり、時に自分を助けてくれます。大学は人脈をつくる絶好の場所だと、大学での同期がいない自分はそう感じています。

意味のある大学生活を送るために、入学前の意識が大切ですね。そして、様々な出会いがある大学での人脈づくりの重要性も感じることができました。髙井社長、本日はありがとうございました。

取材にご協力頂き有難うございました。