Future’I’Mark株式会社 脇田 龍太郎 社長
脇田社長、本日はよろしくお願いします。早速ですが、Future’I’Markさんは何をされている会社ですか?
私たちは「未来の革新をマークする」をコンセプトにしている会社です。企業様相手にインサイド・セールスを主体とした、様々なマーケティングプロセスをご提案しています。
いわゆるマーケティング会社ですね。ずっと気になっていましたが、Future’I’Markの“I”がInnovationの“I”で、「未来の革新をマークする」という意味なんですね!
はい。革新的な自社プロダクトを生み出し、世に広め、IPO(株式上場)かM&A(企業・事業の合併や買収の総称)という形でイグジットする流れを繰り返すことで「未来の革新をマークする」を実行しています。
なるほど。世の中の課題を解決する、革新的な商品を発案する上で、大切にしていることはありますか?
「人工知能」「IoT」「ビックデータ」などの最先端テクノロジーを必ず活用したサービスである、ということを大切にしています。そして、そのようなサービスは主にインターンシップ生のワクワクするような面白いアイデアから生まれます。
どういうことですか?
私たちは学生にマーケティングやセールス、新規事業開発をインターンシップ制度という形で教えています。それは京都にベンチャーのエコシステムを築きたいという想いから生まれました。そのインターンシップの活動のひとつに、新規事業のプレゼンバトルを2ヶ月に1回設けています。4人1組のチームで新規サービスのアイデアを発表し、実現性や革新性を指標に“レインボー” “プラチナ” “ゴールド” “シルバー” “ブロンズ”と評価が下され、評価に応じて賞金が出るというイベントです。その中で出たアイデアが実際に新規事業として採用されることがあります。仮説検証を経て、事業性が高いと認められた場合には新たなベンチャー企業として活躍できます。私たちはこうして学生のチャンスを広げ、京都をシリコンバレーのような活気のある場所にしたいです。
面白いです! インターンシップ制度はいつから始めたのですか?
2年前です。私たちは注目の西日本ベンチャーに選ばれ、ある程度の知名度がありました。その頃一人の学生さんから、「Future’I’Markさんの所で学ばせてくれ!」という電話やメールを度々頂いていました。しかし、それまでは学生に物事を教えるのは手間がかかると思い、断っていたのです。ところが、あまりにも熱心だったので、とうとう根負けして受け入れたのが弊社インターンシップ制度の始まりです。彼は最初、結果を出すまで苦労しましたが、後に大活躍できる人に変わっていきました。その経験から、私は学生の可能性を感じるようになりました。
そうなんですね。そんなFuture’I’Markさんが開発した商品をいくつか教えてください。
売却した事業に、例えば「Tooth Tooth TV」という歯科医院専用の動画配信サービスがあります。歯科医院の待合室での時間を活用して、患者さんの歯のリテラシーを高めることができると思い、生まれた事業です。
手持ちぶさたな時間で、歯の知識を高められる動画をモニターで見ることができるのは嬉しいですね。
他には、SNSと連動した無料Wi-Fiスポットである「Plain」という商品があります。お客様がフリーWi-Fiを利用される際に、Google口コミ、Instagramフォロー、LINEの友だち追加などを誘導することができる機能を持っています。そして、そこから、お客様の年齢・性別などのデーターを収集することができ、今後のマーケティングをより良い方向に促すことができます。このように、「テクノロジー×何か」で様々な課題を解決することが出来るので、多くのアイデアから素晴らしい商品を生み出すことができています。
そもそもどうしてテクノロジーに重点を置いているのですか?
私が好きだからです(笑)。幼少期から好きでした。実家が宮大工ということもあり、幼少期からラジオやデスクトップパソコンなどの電子機器を工作するのが好きで、そういった情報機器に触れてきたのが“好き”になった原因だと思います。
“好き”が仕事になっているんですね。“好き”な仕事だから、すぐにアイデアを形にできているのですか?
確かに“好き”な仕事だからこそ、すぐに新規事業化に取り組めるのだと思います。その仕事が“好き”なので、アンテナの感度が自然と高くなり、情報が集まっています。こうして、多くなった情報量が行動力へと繋がっているように感じます。
脇田社長は学生時代の頃から今のような活気のある実業家だったのですか?
全く違います(笑)。起業も全く考えていなかったので、遊びまくった大学生活でした。大学卒業後は大手通信コンサルティングの系列会社に入社して、営業をしていました。半年間は苦労しましたが、その後はずっとトップセールスの営業をすることができていました。そこから、2014年に独立して、Future’I’Markを創業しました。誘われて起業したので、社長はジャンケンで決めました(笑)。今、このような立場から学生時代を振り返ると、後悔ばかりです。
ジャンケンで決めたんですか(笑)。具体的にどのような後悔をされているのですか?
もっとコミュニティーを広げとけば良かったと後悔しています。
どうしてですか?
思わぬところの繋がりが偶然ビジネスに繋がることがあるからです。学生時代は人と繋がることのメリットを知らなかったので、経営者になった今、そう思っています。
それはとても説得力のあるアドバイスですね。では、そんなFuture’I’Markさんの強みを教えてください。
私たちの強みは若さです。私は今年31歳になりますが、その私で最年長という環境の会社です。インターシップ生の中には、17歳もいます。社員全員が平成生まれであり、風通しの良さには自信があります。
若さには具体的にどのような強みがありますか?
柔軟な、思い切ったアイデアが沢山出てきます。そして、行動力も若さ故だと思っています。経験がない分リスクを知らないので、崖に飛び込むような勢いで新しいことに挑戦できます。
挑戦して失敗しても、若いのでその経験はすべて成長に繋がりますよね。では、脇田社長の「求める人物像」を教えてください。
私たちは「7つのミッション」や「幸せの4Hと10箇条」といったビジョンを掲げています。それに共感してくれる人が欲しいです。
「7つのミッション」や「幸せの4Hと10箇条」について詳しく教えてください。
人は誰しも自分の人生を幸せにしたいと思っています。私たちは、自分・家族や友達・会社・お客様、全員が幸せになるようなビジョンを掲げています。そうすることで、人生とは切り離せない仕事をより充実したものにしていきたいです。
なるほど。どうして、そのミッションやビジョンに共感する人が良いのですか?
給料や福利厚生に魅了されて入社するのも悪くはないのですが、ミッションやビジョンに共感して入社する方が、楽しく仕事をすることができ、長く続けることができるからです。会社との価値観が合うことは、自分のためにもとても大切なことだと思います。
確かにそうですね。
そして、今後もっと組織を拡大していきたいので、周りを導くことのできるリーダーシップのある人が良いです。
リーダーシップがあるかどうかはどのように見定めていくのですか?
見定める必要はないと思います。でも出来る限り、リーダーになりたいと思っている学生を集めようとしています。
どのよう方法で集めているのですか?
主にSNSを活用しています。自社で作った紹介動画をInstagramやTwitterの広告で配信し、その広告で関心を持った学生さんが弊社に集まってくるという仕組みです。
今の学生のほとんどがSNSを使っているので、それは効果がありますね。
ベンチャー企業なので、将来起業したい、リーダーになりたい学生は比較的多く集まってきます。しかし、そこで大切にして欲しいのは、リーダーになる目的です。中には、お金を稼ぐために起業してリーダーになりたい人もいます。それは決して間違いだとは言えませんが、私的には、誰かの役に立ちたいから起業したい、と考えれるようになって欲しいです。
どうして脇田社長はそう思うのですか?
私がお会いしてきた尊敬できる経営者さんがみんなそのような考え方をしているからです。社会と真摯に向き合って、社会の課題を解決するためにリーダーになっている方ばかりでした。投資家もそういう人に投資をしたくなるので、さらに大切だと思います。
なるほど。では、最後にアドバイスをお願いします。
早くからインターンシップを活用して、社会経験を積むべきです。
どうしてですか?
年々、学生のレベルが上がっているように感じています。先ほども言いましたが、17歳の子がうちでインターシップをしている程です。その中で、スキルやノウハウのない学生さんは就職が難しくなります。競争が激しい時代に突入している今は、大学生のうちに出来る限り自分の市場価値を上げるために何か行動を起こすべきです。その手段のひとつとしてインターンシップがあります。
それはまさに経営者さん目線のアドバイスですね。
そして、業界分析をきちんとするべきだと思います。
どのようにすれば良いですか?
インターネットで調べるのも良いですが、採用広告はその会社のブランディングも兼ねているので、実際よりもキラキラに見えて、入社してから「あれ?」って思うことがあると思います。お勧めはOB訪問でリアルな声を聞くことです。
大学生は卒業後どのようなキャリアを送るかの準備が大切ですね。脇田社長、本日はありがとうございました。