株式会社COTOHA 谷奥社長の「求める人物像」

#コンサル,#小売,#生花

株式会社COTOHAは、観葉植物専門店cotoha(植物を育みながら生を感じる)、生花・ドライフラワーのBOOM(草花で季節を愛でる)を経営する会社で、植物を通じて生活に癒しを提案しています。日々の暮らしの中で 1本の花、1鉢の植物を愉しむ その想い感動を大切にしています。(HPより抜粋)

谷奥社長、本日はよろしくお願いします。早速ですが、COTOHAさんは何をされている会社さんですか?

私たちは観葉植物専門店「cotoha」、花屋「BOOM」を経営する会社です。また、店舗コーディネーターなどの仕事もしています。

観葉植物専門店は業界的にとても珍しいと思いますが、そんな観葉植物にどうして目を付けられたのですか?

実家が花屋で、そこに置いてあった観葉植物に興味をもたれるお客さんが多かったので、安易に観葉植物の専門店を出したら売れると考えていました(笑)。

本当に“安易に”ですか(笑)?

観葉植物の実態を知ったのも、自分で専門店を始めるきっかけになりました。

実態??詳しく教えてください。

花屋さんは春頃から観葉植物を店頭に置き始めます。切り花が売れ忙しくなる秋にセールで売りさばき、冬には観葉植物が店頭にはない状況でした。冬に来られるお客様には、観葉植物は冬には生産が止まると断っていましたし、市場にも観葉植物は出ていませんでした。私はそんな花屋さんの観葉植物の販売方法に疑問を持ち、沖縄の生産者を訪ねてみたところ、今までみたことのない量と種類の多さに驚きました。そこには年中観葉植物があったのです。

なるほど。沖縄には年中観葉植物があるのに、流通事態がストップしているから普通の花屋はそれを知らないんですね。

そもそも観葉植物の定義も曖昧です。「観葉植物」は花業界が30年ぐらい前に勝手に作ったカテゴリーで、主に室内装飾としての役割を持ちますが、植物である限り室内で育てるのは本来難しいものなのです。ですが、家の中でも生きられるように観葉植物が順応していき、条件が揃えば室内でも生きることができるようになりました。

植物は生きるために順応するんですね。人間と同じで賢いですね(笑)。それにしても、とても素敵な店内です。COTOHAさんの観葉植物には何か特徴はありますか?

(画像:cotoha店内)

私たちが取り扱っているのは太陽に向かって真っ直ぐ伸びた、自然樹形の観葉植物ばかりです。私たち人間は森から出てきた動物で、本能的に自然な樹形を探し求め、自然な樹形の中に身を置きたくなるものかもしれません。店内もお客様に居心地が良いと本能的に思っていただけるような店舗ディスプレイになるよう心がけています。

確かにずっと居たくなるような店内です。COTOHAさんはエコな植木鉢カバーも販売されていますよね?

そうですね。段ボールメーカーさんと共同で、段ボール製植木鉢カバー「KAKOU」を製造、販売しています。「KAKOU」は地球環境にもよく、低コストでお部屋の雰囲気を変えることができる商品です。

(画像:段ボール製植木鉢カバー「KAKOU」)

そういった新しい試みにもどんどんチャレンジされているんですね。COTOHAさんのECサイトにも何か想いがあるのでしょうか?

このコロナを機会に店舗販売という待ちの商売だけでなく、遠方で店頭に来られない方にも伝わるようにネット配信にも力を入れています。そのために店舗cotohaの営業日を4日間にして、ネット通販の準備を進めている段階です。

全国の花屋ですね。素敵です。「BOOM」に関してもお聞きしたいです。

「BOOM」は主に切り花を販売してる、いわば一般的な花屋です。

(画像:BOOM店内)

「BOOM」にも何かこだわっているポイントはありますか?

お客様には自分でお花を選んでもらうようにしています。お客様からお声かけ頂かない限り、接客はほとんどしません。

それはどうしてですか?

通常ですとお花屋さんでは、痛むので花に触れません。これをください!と言って取り出していただいた花がちょっとイメージと違ってもやっぱり入りませんとは言い難いもの。なので、自分で納得いくまで花合わせ、色合わせをしてもらう為です。花を選ぶ楽しさは、花を挿したり、花を活けたりするより楽しいということを感じてもらう為です。

僕の知るお花屋さんは、専用ケースに入っているお花を店員さんに取ってもらう形です。「BOOM」さんの自分で選んで取れる形式はまた斬新ですね。

COTOHAの強み

COTOHAさんの強みを教えてください。

観葉植物を販売するだけでなく、その観葉植物を枯らさないために、買った後もお客様をいつでもサポートできることが私たちの強みです。

それは最初から提供されていたサービスなのでしょうか?

最初はただ観葉植物を売っていました。いろいろな観葉植物があったので、ただ売るだけでも売り上げはどんどん増えていきましたが、オープン3年目にリピートして買い求められるお客様が少ないことに気づき、そこからサポート体制の充実を図りました。

観葉植物を購入した人のほとんどが枯らしてしまって、植物を置くことを諦めてしまっていた、ということですね。

売るだけのことしかしておらず育てるための環境の提案までしていなかった、ということを反省して、今では水やり・光・風で枯らしてしまう原因を1つ1つ解決して、枯らす人を減らす努力をしています。先ほども言ったように、観葉植物を育てるのは難しいです。私たちが植物を維持、延命させるために何が必要か、水やり・光・風などのデータを分析して、お客様に共有することが必要だと思っています。

具体的にはどうやって購入後のお客様をサポートしているんですか?

購入されたお客様とSNSでつながり、わからないことや不安なことは、気軽に何でも聞いていただけるような体制を整えています。実物の写真つきで送られてくる連絡などにアドバイスを返信したり、要望があれば、ご自宅まで往診にも行きますし、状態が悪化しているときは、一旦店に持ち帰って管理し直し、健康な姿を取り戻してからお返しすることもあります。

まるで植物の病院ですね。

(画像:取材風景)

谷岡社長の「求める人物像」

では、谷奥社長の「求める人物像」を教えてください。

私の「求める人物像」は“考える”ことができる人です。

“考える”ことができる人?詳しく教えてください。

自分自身がこうしたい!と考えた時に、その実現のために何が必要で、どういったプロセスを歩むべきか、考えることができる人です。例えば、“考える”ことができる人は「次何しましょうか?」ではなく、「次これしたいんですが、どうしたら良いですか?」と一歩先の質問をします。その人は次に何をすればいいか“考える”ことができていて、先を見て行動しています。一度自分自身で考えた上で、まだわからないことを質問しているので成長が早いです。

なるほど。“考える”ことができるためにはどうしたら良いですか?

常に思考することが大切です。大学でも、授業内だけでなく、教室にいく前から常になにを学びたいか考えて、授業に望むことが大切だと思います。そして何をすれば相手が喜ぶかを考え抜くことです。

大学生へのアドバイス

最後に、大学生にアドバイスをお願いします。

先ほどお伝えしたように、常に考えて行動することが大切です。何事にも『なぜこうなるの?』と疑問を持って原因を追及してください。考えた先には答えが待っています。大学卒業後の自分の進路も見えてきますし、大学の意味も見出すことができ、大学生活を有意義なものにすることができると思います。

谷奥社長の「求める人物像」に繋がっていますね。谷奥社長は大学に行かず、すぐ社会人になられたんですよね?

そうですね。高校卒業後は京都の呉服屋で4年間勉強していました。早くから社会を知ることができたのはとても良い経験でした。

呉服屋の経験は今に活きていますか?

そうですね。ビジネスの基礎を学ぶことができましたし、それは何よりも実践力が身についたということです。営業も成果を出すために考えて行動する大切さも知りました。

私たち大学生は卒業後の目標のためにどういった過ごし方をするか考えて、大学生活を過ごすことがとても大切ですね。谷奥社長、本日はありがとうございました。

取材にご協力いただきありがとうございました。